春になるのか、まだなのか？
花粉が飛んでいるのに
まだ冷たい雨が降ったりしますね。
気候も不安定なこの時期
転勤があったり
卒業があったり
誰かと別れて
誰かと出会う
そんな季節かもしれないですね。
ひとりで生きなくていい
60数年も生きていると
いろんな別れがありました。
亡くなった友達もいるし
両親も見送ってしまいました。
仲良しだったのに
いつの間にか疎遠になってしまった人や
大好きだった人に
さよならを言われてしまったこともあります。
中でもやっぱり
結婚していた人と別れるというのは
大きな出来事でした。
5年間悩んで決めたことだったのですが
一緒に住んでいながら
別々に引っ越しの準備をするのも
とても心の痛むことでした。
引っ越し当日は
4月で桜満開の季節だったのに
冷たい小雨の降る日でした。
外にあるごみ置き場で
出した引っ越しゴミをまとめていたら
当時の夫がそっと
後ろから傘をさしかけてくれました。
ずっと会話もなかったのに
最後の最後で優しくしないでほしい
振り返ったら泣いてしまう
泣いてしまったら出ていけない
そう思って
振り返ることができずに作業しました。
その時、
私が自分に言い聞かせていたこと。
私は今から1人で生きていくんだ。
もう誰にも頼ってはいけない。
がんばって自分の人生を
なんとかやり直すんだ。
今、あの頃の自分を思い出して
言ってあげたいことがあるとしたら…
がんばって１人で生きていくって
そう思うのはわかる。
そう思わないとできなかったね。
暖かい家庭を作りたかったのに
失敗しちゃったと思ったよね。
がんばったけど、
だめだったから方向転換しなくちゃ
と思ったんだよね。
それで180度違う方向へ
振り切っちゃったんだよね。
でもね。
あなたが本当に欲しかったのは
1人でがんばる人生ではないんじゃない？
この別れは仕方ない。
でも、これからも
ずっと1人で生きて行かなくちゃって
そんなことを心に決めなくていいよ。
そんな風に言ってあげたいと思います。
よくがんばったね
別れようと思って出会う人はいません。
本当は別れるはずじゃなかったのに
別れることになってしまうと
深い悲しみに突き落とされます。
こんなはずじゃなかったとか
私があの時こうすれば
もっとうまくいったのかもしれないとか
あの人がこうしてくれたら
こんなことにならなかったのに、とか
反省や後悔や自己嫌悪や怒りが
これでもかと湧いてきたりします。
自分で決めたことであろうと
相手が決めたことであろうと
せっかく出会った人と
もう会わない
もう会えないだけで悲しいのに
気が付くと
繰り返し自分を責めていることがあります。
そんなとき
思い出してほしいのですが
心が通い合った瞬間もあったこと。
この人と出会えてよかったと
思った時間もあったこと。
何億もいる人たちの中で
自分たちが出会えたこと。
そしてなんとかうまくいくように
自分なりに努力したこと。
そんな自分をいとおしいと
思ってみても良いんじゃないでしょうか。
よくがんばったね、と
自分に言ってあげても
良いんじゃないでしょうか。
悲しんだ後に大切なものを見つけよう
別れのあとは
自分の心をごまかしたり
無理やり180度違う方向に
考えを変えたりせずに
ちゃんと悲しむことは必要です。
傷口に無理にフタをしたり
荒療治をしたりせずに
ちゃんと早く治すのと同じです。
胸にしまわずに、人に話すことも
ちゃんと悲しむうちのひとつです。
人に話して
少しずつ別れを受け入れながら
ひとりぼっちではないと
思ってみてください。
でも、多くの方が
ずっと友達に聞いてもらっていたけれど
さすがに半年経つと
もうしつこいと思われそうで言えない
とおっしゃいます。
そういうときこそ
カウンセリングに来てください。
何年であろうがお話を聞きます。
しつこいんじゃないんです。
心に時間は関係ないんです。
何十年前のことでも
悲しいことは悲しいのです。
昨日のことでも
忘れてしまうこともあります。
そして
その悲しみの中から
あなたが本当に大切だと思うことを
一緒に探していきましょう。
悲しみの中で
真実に気が付くことがあります。
何が好きで
どんな人が好きで
どんな人生にしたいのか？
別れは辛いことだけれど
悲しんだあとに
得るものは大きいのです。
別れた後には必ず
また新しい人生があります。
ちゃんと振り返れるようになったら
あの別れはおしまいではなくて
卒業だったんだなと
そんな風に思える日はきっと来ます。
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