49歳から人生を咲かせたい

両親が亡くなると見えてくるものがある

私は49歳のときに母を亡くし
50歳のときに父を亡くしています。

もっと若いときに親を亡くしている方も
いらっしゃるけれど
通常の介護や看取り年齢よりは
ちょっと早めのお見送りかもしれません。

両親との間に葛藤がなかったわけではない

今でこそカウンセラーの常として
「どんなご両親でしたか?」などと
わかっているテイで
クライアントさんに伺うことがありますが

そんな私も昔、両親との間に葛藤がありました。

両親ともに「昭和ヒトケタ」世代ですから
幼いころに戦争も経験しているし
可愛がられて育ってはいないし
とても偏屈で頑固なわけです。

父は本当に怖い存在で
厳しいルールがたくさんあり
ときどき拳が飛んできたり
狭い物置に閉じ込められたり。

なので突然殴られたりしないように
いつも父の顔色を見て暮らしていました。

寝たきりになって介護したときに
まったく動けない父なのに、
怖くて怖くて
最初は触るのも怖かったのを憶えています。

母は繊細で甘えん坊で
「こうしてちょうだい」がたくさんあって
やってあげないと傷ついてしまうし
後が大変。
これまた母の顔色を見て暮らすわけです。

私が離婚したときも
母のほうがもっと傷ついて大騒ぎになり
私はしばらく実家に帰りませんでした。

親が生きているときは
まだ心の勉強をしていませんでしたから
同居していたわけでもないのに
いつも親の顔色や言うことが気になっていて

それが常になんとなく心に重く
「人っていうものは結構厄介だ」という感覚になり
無意識に人と心の距離をとったり

自分が自分の思い通りに生きていない感覚を
もっていたりしました。


そんな両親が
相次いで別々の難病にかかり
同時に2人とも寝たきりになり
介護のすえに
1年半違いで亡くなってしまいました。

両親が亡くなってから見えたもの

両親が亡くなってしばらくは
呆然としていました。

それはもちろん悲しみも大きいのですが
介護があまりに大変だったので
疲れ切っていたということもありました。

※介護のお話はこちら→https://ozawamasako.com/nursing/

その疲れと悲しみがあるうちはぼんやりと
少し癒えてくるとはっきりと
見えてくるものがあります。

「次は自分の番だ」ということです。

これは不思議と
まだ片親が生きているうちは少し違います。

海にはあるとわかっていたけれど
親が立っていて見えなかった
「死」という水平線が
今、自分の前にさえぎるものなく、
くっきり見えた感じ。

それは怖いとか悲しいとかの感情を超えて
厳然とした事実として見えました。

同時に
親はどんな状態であっても
たとえ寝たきりであろうと
ただ生きているだけで
子供を死から守っているんだな
と思いました。


そして
守ってくれるものが亡くなって
これからどうしよう…と思った時、

「これからが本当の自分の人生だ」

という声が自分の中から湧いてきました。

それは
悲しい時に不謹慎だぞと思いながらも
解放感でもあり
責任感でもありました。

受け継ぐものと捨てるもの

その後の本当の自分の人生は
そう簡単にうまくいくものでもなかったのですが

今までブログに書いたように
痛い恋愛をしたり
寂しさでさまよったりした後に
心の世界に出会ったことで
なんとかここまで来ました。

今、私の部屋には
両親の遺したものがいろいろあります。

2人ともかなりアートな人たちだったので
父が描いた絵を壁に飾り
父の作った陶器の茶碗でご飯を食べ
母の作ったステンドグラスの灯りをつけて
暮らしています。

「1人暮らしで、もしパックのお惣菜を買っても
ちゃんと器に盛り直して食べなさい。」
という親の教えを守っています。

でも、
「女だてらに酒なんか飲むな。」
「遊ぶことばかり考えるんじゃない。」
「自分の話をやたら人にするもんじゃない。」
などという教えは捨てました。笑

そのほかにもたくさん
親からもらったもの、捨てたものがあります。

全部、自分で選んでいい。

そう思えるようになり
自分の人生を自分で歩むようになると
親の人生もまた魅力的に見えてきます。


そうか、こういう経験をして
ああいう意見を持つようになったんだな
よくやったよな。とか

これがコンプレックスだったんだな。とか

2人が最後まで大事にしていたのは
こういうことだったんだな。とか

生きていても、亡くなっているとしても
大人と大人同士の
平和で安全な心の距離が見えてくるのです。

そして人生の水平線を見ながら歩いていると
兄弟や友達やふるさとなんかが
やけに大切に思えてきます。


両親が亡くなってもなお
自分のそばにいてくれるもの。
自分を支えてくれるもの。

自分の番が来るまで
どうやってそれを大切にしようかなと
思うわけです。

兄弟もふるさともないよ!
という方はぜひカウンセラーを使ってください。
私は兄弟も友達もいましたが
たくさんカウンセリングを使いました。

そうやって
「これは要る。これは要らない。」と
自分で選んで生きていきましょうね。

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