こんにちは。
心理カウンセラーの小澤昌子です。
人生でうまくいかなかった出来事を
「私のせいだったかもしれない」
「もっと私がちゃんとできていたら」
そんな風に何年も
自分を責め続けてしまうことがあります。
それも
また責めているなと
気がつかずに
責める気持ちと一緒に
暮らしてしまっていることもあるのです。
罪悪感と一緒に暮らしてしまう
先日、家の掃除をしていて
アクセサリーとか
趣味の道具とか
大事なものをしまっている棚を
拭いていたときのこと
あれ?
私、これ、なんでまだ持ってるんだろう?
と気がついた物がありました。
それは
結婚していた時代に
夫に買ってもらったオルゴール。
蓋を開けると
ちょっと物悲しい音楽が鳴って
月夜の背景の中で
クラウンの紙人形が躍るのです。
幻想的で美しいと思って
これが欲しいと言って
誕生日かなにかのイベントの時に
買ってもらったものでした。
離婚したときに
多くの物を捨ててきたけれど
なぜかこれは持ってきたんですね。
そしてまだありました。
離婚したあと
ハードワークでヘロヘロになって
働いていた時代の目覚まし時計
これはどこにでも売っている安物で
もう電池を入れても動かない
壊れた目覚まし時計なんです。
そんな物を
大切な物を入れる棚に入れて
いつも掃除する場所で
それを見るたびに
オルゴールが置いてあった当時の棚
目覚まし時計を必死で止めて起きた朝
そんなことを思い出すのに
それはなんとなくザラっとした
あまり気持ちの良くない感覚なのに
なんで私はいつまでも
これを持っているんだろう?
そしてなんで今まで
何も疑問に思わずに
一緒に暮らしてきたんだろう?
と思いました。
結婚していたのは30年前で
ハードワークしていたのは20年前なのに
私は死ぬまでこれを持ってるんだろうか?
と思いました。
そして心の勉強をする前、
引っ越しの時にこれを持ってきた時、
「これを見て、自分を戒めよう」
と思ったことを思い出しました。
結婚生活がうまくいかなかった。
世の中にはたくさん
幸せな家庭があるのに
それを私は作れなかった。
「お前は失敗したんだ、しっかりしろ」
と自分を戒めるために
オルゴールを後生大事に持ってきたのです。
壊れた時計は
来る日も来る日も夜中まで働いて
これがなければ起きあがれなかった
苦しい日々の戦友のような存在とともに
「私はもう仕事しかないんだから
もっともっと働かなくちゃだめだ」
と自分に言い聞かせていた
そんなシンボルなのです。
心の勉強をしてカウンセラーになって
そんな生き方はずっと前にやめたはずが
何も考えずに
ザラっとした感覚のまま掃除して
持ち続けていたなんて。
潜在意識って手ごわいですね!
罪悪感が形を持つとき
罪悪感には「形」があることがあります。
それは
あのときのメール
写真
もらった手紙
私のように
部屋の隅にしまってある何かの品。
手放せないままになっているのは
心のどこかで
「これは捨ててはいけない」
と思っているからかもしれません。
「これを捨てたら
自分の失敗をなかったことにしてしまう」
「それは卑怯だ」
そんな風に感じることがあるかもしれません。
でもそれはほんとうに
とっておくべきものですか?
それは
あなたが前に進むために
あなたが幸せになるために
応援してくれる大切な記憶ですか?
それとも
自分を罰し続けるために置いてある
心の重り
なのでしょうか?
心理学では
人の罪悪感は2種類あると言われています。
自分が何かをしてしまった罪悪感と
やるべきことをしなかった罪悪感です。
多くの人は(特に日本人は)
やるべきことをしなかった
できなかった罪悪感を持っている
と言われています。
誰かに悲しい思いをさせた
ちゃんと愛せなかった
がんばったけどうまくいかなかった
そんな思いがあると
長い間それを悔やみ続けることがあります。
もう誰もあなたを責めていないのに
自分だけが自分を罰し続けることが
習慣になっていることすらあります。
でも
何年経っても自分を罰し続けることが
償いになるとは限りません。
心の中で何度も「失敗した」と
繰り返しながら
自分の価値を少しずつ
削ってしまうこともあるのです。
もう充分なのかもしれません。
今のあなたが、かつてのあなたに
「もういいよ」
と声をかけてあげても
誰も責めたりしないのです。
手放すことは「裏切り」ではなく「回復」
そう気がついても
私もオルゴールと目覚まし時計を捨てるのは
簡単ではありませんでした。
これはすでに「思い出の品」なんだから
これを手放すのは
思い出を捨ててしまうことになるのかな?
とか
モノに罪はないのだから
クラウンだってまだ踊っているし
捨てたらかわいそうなのではないか?
とか
自分を思いとどまらせる言い訳が
いろいろ浮かびました。
でも
改めて手に取ってみて
やっぱり見るたびにザラっとした気分になるな
と思ったのです。
そして自分にこう問いかけてみました。
「これは、今の私にとって
本当に必要なものだろうか?」
「これを持ち続けることで
私を守ってくれているだろうか?」
「それとも
私の心をずっと何かに
引き戻すものだろうか?」
手放す選択は
ときには勇気が要ります。
でもそれは何かを見捨てることではなく
これからをもっと軽やかに生きるための
大切な一歩になります。
もっともっと幸せになると
何度でも心に言い聞かせるためには
勇気が要るのです。
手放すことは
過去に対する裏切りではありません。
自分を責め続ける生き方ではなく
自分を大切にしながら生きることを
あらたに選ぶこと。
それが
自分自身に対する誠実な回復です。
なので私は捨てましたよ!
もし、あなたの部屋のどこかに
心の痛みと結びついたものがあるのなら
私と一緒に
「お疲れ様でした!」
「ありがとう!」
と言って手放してみませんか?
あなたが自分自身に対して
やさしい勇気を持てますように。
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