幸せになりたい

人生は居場所を探す旅なのか?(2)

「居場所」と聞いて
みなさんはどんな場所を
思い浮かべますか?

ご自分の部屋でしょうか?

私ももちろん
自分の部屋も好きだし

居心地の良い場所は
たくさんあるのですが

それ以上の場所を
ずっと探している気がします。

ふるさとがない

私は東京で生まれて
東京で育ちました。

両親も東京で育っているので
いわゆるふるさとがありません。

東京がふるさとなのかもしれませんが
ここで言うふるさと
帰省して帰る場所
のような意味です。

小学生のころ
夏休みになると
朝、学校の校庭に集まって
ラジオ体操がありました。

小さなカードに出欠の
スタンプを押してもらったりして

夏休みで友達に会えないので
朝の短い時間に
同じクラスの子に会えたりすると

ちょっと新鮮な気持ちがしました。

ところが
夏休みも中ごろになると
友達が1人減り、2人減り、

そのうちラジオ体操に出ているのは
私と知らない子数人になります。

そう。
みんなそれぞれのふるさと
帰ってしまうのです。

おじいちゃんや
おばあちゃんの家でしょうか?

うちは親戚もみんな東京ですから
遊ぶ友達もいなくなって
つまんないなと思っていました。

みんな、ふるさとで何をするんだろう?

山とか川とかで遊ぶんだろうか?

夏休みの終わりに
帰ってきたみんなが
真っ黒に日焼けして
イキイキとして見えて

いいなあ~と思っていました。

ここは自分の家ではない

私の両親は厳しくて
自分たちの考えがハッキリ
している人たちでした。

例えば
高校生のときの門限は18時。

18時までには帰って来て
夕飯の支度を手伝いなさい
というのが厳格なルールで

ちょっとでも遅刻すると
家に入れてもらえないのでした。

運動部にいたので
さんざんランニングした後で
18時に遅刻しないように
バス停から家まで
また必死で走って帰りました。

「こんなルール、嫌だ」
「もうちょっと門限を遅くして」
と頼むと

「嫌なら出ていけ」
と言われてしまって
結構切ない思いをしました。

そうすると

自分の家なんだけど
置いてもらっているような
間借りしているような

自分の家は
いつかどこかで
自分で探さなくてはならない

私の本当の居場所は
どこにあるんだろう?


という感覚で暮らしていたような
気がします。

ちょっと切ないような
鼻の奥がつーんとするような
でも懐かしいような。

秋の夕暮れに
空が真っ赤になって
もうすぐ暗くなるから
おうちに帰らなくちゃ

みたいな感覚です。

この感覚はなぜか
結婚して実家を出てからも
ずっと心の片隅にあって

下手をすると
自分の家を持ってからも
あった気がします。

そしてカウンセリングで
クライアントさんとお話していると
全然違う話題なのに

あれ?この方も
もしかしてこの感覚をずっと
持っているんじゃないかな?

と、ふと感じることがあります。


それは言い換えると
「寂しさ」
という感覚かもしれません。

居場所を探す旅も悪くない

私は奈良が好きで
毎年行っているのですが

親戚がいるわけでもないので
何度行っても旅人です。

二月堂の上から
奈良の夕日が沈むのを見るのが
大好きなのですが

二月堂から降りてくる薄暗がりの古道は
夕方、だーれもいなくなります。

鹿しかいない。笑

でも不思議とそこを
たった1人で歩いても寂しくないのに

なぜか人のいる街中で
私は旅人なんだなと感じます。

夕暮れになって
奈良の古い町並みの
路地の向こうに日が沈んでいくと

商店街のシャッターが次々と降ろされて
商店街の人たちも
みんな家に帰って
家族と晩御飯なんだなあ

という雰囲気になります。

私もどこかでご飯を食べなくちゃ
と思いながら歩いていると

古い格子戸の向こうに
ちらっと家庭の灯りが見えたりします。

そういうときに
あの例の感覚が呼び覚まされます。

ここは私のふるさとじゃない。
私の帰る家はここにはない。

でもね。
実は嫌な気持ちでもないんです。

切ないけれど
冷たい感覚ではなくて
どことなく懐かしい思い。

これがあるから
自分の居場所を作ろうとするし

これがあるから
何度も好きな場所に行こうとするし

これがあるから
誰かと話をしたくなるし

これがあるから
安心できる場所や人に
感謝の気持ちが湧いてくるのです。


だからね。
寂しさは恥ずかしいことじゃない。
隠さなくても大丈夫。

寂しいときは「寂しい」と
誰かに話してみてくださいね。

そして
居場所がないと思ったら
自分の好きな場所を選んで
何度も何度も行ってみてください。

そうすると
少しずつ少しずつ
自分の居場所になってきます。

人生は居場所を探す旅
なのかもしれないけれど

その旅もなかなか良いものです。


「寂しい」と話せないくらい
どこにも行けないくらい寂しいときは
どうぞカウンセリングに来てくださいね。


※以前にも書いた同じテーマのブログはこちら
 →「人生とは居場所を探す旅なのか?」

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