生きる歓びを感じたい

「普通」という言葉の魔法

ご相談を伺っていると、よく
「それって普通ですよね?」
という質問をいただいたりします。

その都度、
「確かに普通ですね。」と思ったり
「いや。それは普通ではないんじゃないかな。」
と思ったりします。

それは、その方の「普通」と私の「普通」が違うからですよね。
きっと誰でもその人なりの「普通」を持っているのでしょう。

「普通」の弊害

例え話ですが
「もう3年も経ったのだから
別れた彼のことなんか忘れるのが普通なのに、
忘れられないんです。」
というようなお話。

そこには
「彼のことを忘れたいのに忘れられない」
という苦しみに
「普通でありたいのに普通じゃない自分」
という苦しみも上乗せされています。

この場合、「普通」が悪さをしています。

3年は長いのか?短いのか?
3年経ったら忘れるのが普通なのか?

それはぜんぶ人それぞれですよね。

ましてや
心の世界では「心と時間は関係ない」というのが定説です。

昨日のことでも忘れていることはたくさんあるのに、
10年前のことをありありと憶えていることもありますよね。

ずっと悩んでいることもあれば、
一瞬で癒されることもあります。

「普通、こうであるべきなのに、私はそれすらできない。」
と考えるのは、
自分を否定するために「普通」を使っているのかもしれません。

人と比べて自分を否定するとき
「普通」という言葉はとても便利なのです。

こういう使い方をしていると、
残念ながら悲しい気分になります。

「普通」の効用

でも
「普通」には大切な役割もあったりします。

私が昔、しんどい恋愛をしているとき、
何がしんどかったかというと

※ご参考まで以前のブログ→「50歳過ぎてからの痛い恋の抜け方」

「彼に振り回されている!」
という思いでした。

彼の都合で会う時間が決まったり
彼の気分で食べるものが決まったり
彼の機嫌で一喜一憂したり

彼に選ばれる自分でいるためには、どうしたらいいのか?
いつも考えていました。

今、書いているだけでしんどいです(笑)。

ところが
心の勉強を始めて、自分に取り組んでいくと
私は必要以上に自分をちっぽけな存在だ
と思っていたことに気がつきました。

そして
必要以上に彼を大きな存在だ
と思っていたことに気がついたのです。


ある日、夢を見ました。

彼と暮らしているんだけど、
彼がどんどん狼男になっていく夢でした。

私は町の人に彼の変化がばれてしまわないように、
こっそり食べ物を運ぶんですが、
自分でも怖くて怖くて、どうしよう!
と途方に暮れる夢です。

目が覚めて、なんだこの夢は?と思って、
当時のカウンセラー養成学校の先生のところに
「こんな恐ろしい夢を見た!」と駆け込みました。

じゃあセラピーしましょうということになって、
イメージの中でやったことは

→自分の仲間を大勢集める
→内緒にしていた町の人も集める
→みんなで肩を組んで彼の様子を見に行く

というものでした。

すると。
さっきまで大きな狼男だった彼が、
可愛い小さな犬になって、キャンキャン鳴いていたのです。笑

ああ、私は彼を必要以上に大きな存在にしてしまっていて、
彼の基準に自分を当てはめなくてはならないと思って、
どうしたら良いかわからずに苦しんでいたなと気がつきました。

そこから急に彼が私の中で「普通」の大きさになっていき、
私は私をなるべく「普通」の大きさにしたいと思いました。

そうしたらだんだん、
彼にたくさんの女性がいることが嫌になり、
もっと他の楽しいことに時間もエネルギーも使いたい
と思うようになっていったのです。

「普通」は都合の良い魔法

「普通」という言葉はとても便利です。

自分を責めるためにも、人を責めるためにも使えるけれど、
自分も人も幸せであるためには、
痛みのために使わない方が良さそうです。

例えば、ローヒールのパンプス。

ハイヒールは足が痛いからローヒールを履くのと、
好きだから・おしゃれだから履くのとでは
全く気分が違います。

人や世間を基準にせず、
どうせなら気分を良くするための都合の良い魔法として
「普通」を使いたいものです。

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