こんにちは。
心理カウンセラーの小澤昌子です。
私の母が亡くなって
今年で17年経ちました。
そのとき私は40代でした。
7月が亡くなった月なので
あの日も晴れて暑かったなと
17年経った今も
昨日のことのように思い出します。
「待って!待って!
まだ時間があると思っていたのに
わかりあえないまま
いなくなってしまうの?」
というのが
その日の気持ちでした。
なぜ大人になっても母への想いが心に残るのか
母が生きているころ
私にとって母は
ちょっと面倒くさい
鬱陶しい存在でした。
「こうしてほしい」
「話を聞いてほしい」
「あそこに連れて行ってほしい」
ストレートに希望を伝えてくる母にいつも
「わかったからちょっと待って」
と思っていました。
私は私の人生をなんとかすることに
エネルギーのほとんどを使っていて
できたらこっちが助けてほしいのに
それどころじゃないのよ
くらい思っていました。
子供のころから
母の愚痴を聞いていたことにも
うんざりしていました。
でもそんな自分を
「良い娘ではない」
と責めていましたし
母からも
褒められたことはありませんでした。
そして
「もう40代なのに
まだ母のことで悩むなんて…」
と思っていました。
カウンセリングでお話していると
お母さんの話題になることは
とてもたくさんあります。
私たちは、大人になったら
親へのわだかまりなんて
自然に消えるはず
と思いがちです。
でも実際には
お母さんとの関係が心に残ったまま
ずっと引きずってしまうこともあります。
それは
あなたが悪いからでも
未熟だからでもありません。
ただ
子供のころに
「本当は欲しかったのに
もらえなかったもの」
が、ずっと心の中に
残っているからなのかもしれません。
子供のころの「本当は欲しかったもの」とは
- ちゃんと見ててほしかった
- がんばってるねって言ってほしかった
- もっと話を聞いてほしかった
- そのままで大好きだよって言ってほしかった
そんな気持ちがあったのに
どこかで満たされずにいて
でも、それを言葉にすることも
できなかったり
うまく伝える手段もなかったり
今さら恥ずかしい…と思ったり
だから私たちは
我慢して
がんばって
自分の感情を飲み込んでしまったのです。
それが
「ひとりで頑張る癖」となり
大人になった今も
そのやり方で生きていることは
少なくありません。
不思議ですよね。
もう母とそんなに関わっていないはずの頃に
母に言われたヒトコトに
イライラしたり
何気ない態度に落ち込んだり…。
それは
過去に満たされなかった想いが
まだそこにあるというサインです。
そして私たちは無意識のうちに
職場の上司とか友達とか
パートナーとかに
母にしてほしかった反応を
求めてしまうことがあります。
でもその「心の穴」を
人に埋めてもらうのは
とても難しいのです。
なぜならそれは
「過去の自分」
が欲しかったものだからなんです。
私が私のお母さんになってみる
心の世界はとても不思議で
時間の概念がないのです。
昨日のことでも
忘れてしまうことがあれば
何十年前のことでも
鮮明に憶えていることもありますよね。
すっかり忘れてしまった失恋もあれば
いつまでも忘れられない恋愛もあります。
お母さんに対するモヤモヤを
解消して楽になるための第一歩は
「あの時の私」の声に
耳を傾けてあげることなんです。
「本当はさみしかったね」
「がんばったよね」
「もっと甘えたかったよね」
そんなふうに
今の大人の自分が
過去の自分に寄り添ってあげることが
実はとても大切です。
「母にも苦労があった」
「母だってがんばっていた」
そう思えるのは素晴らしいことです。
でも、それが
「だから私が我慢しなきゃ」と
自分の気持ちを抑える理由になってしまうと
苦しくなります。
お母さんを理解しようとする前に
まずは自分の気持ちを大切にすること
母にしてもらえなかったことに
悲しみや怒りを感じるのは
自然なことです。
してもらえなかったことを許すのは
まず自分の心を助けてあげてから。
これからは
「私が私のお母さんになる」
と思ってみるのはどうでしょう。
子供のころに聞きたかった言葉を
今の自分が自分にかけてあげる。
ほっとできる時間や
温かい言葉や
わくわくするようなご褒美を
自分に与えてあげる。
それはちょっと照れ臭かったり
なんか変なの、
と思うかもしれませんが
効果はとても大きいのです。
私は私の味方でいる
そう決めることができると
心はふっと軽くなります。
軽くなった心で母と向き合うと
また違った世界が見えてくるのです。
亡くなった母と仲直りできるのか?
私のように
お母さんが亡くなっていたら
もうどうしようもないの?
と思われるかもしれませんが
私は母が亡くなってから
母と仲良くなりました。
スピリチュアルな話ではありません。
(ちょっと不思議なこともあったのですが
私はスピリチュアルカウンセラーではありませんので
今、ここでは割愛です。笑
いつかメルマガでお話したいと思います。)
私が私のいちばんの味方になろうと決めると
根拠のない安心感が
持てるようになりました。
そして
母からいちばんもらいたかったもの
それは安心感だったんだなと
気づきました。
自分で自分の安心感を育ててから
何度も母の人生を反芻して
母と心の中でたくさん話をして
たくさん喧嘩もして
悪態もついてみて
それでも私は
母が大好きだったんだな
大好きだったから
「大好き」と言ってほしかったんだ
言ってもらえなかったから
悲しかったんだ
と気がつくと
仕方ない。
大好きだったんだもの。
と思えるようになりました。
天国の母は今は私の守り神で
いつも
「あなた、気がつくのが
遅かったんじゃない?」
と笑ってくれます。
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